企業再生には確たる手順があります。そのレールに乗りませんか?
企業再生の手順
事業再生計画のレールに乗りませんか?
 企業再生(事業再生)には手順手があります。モラルハザードを起こす銀行債務者たる中小企業が、銀行の債権放棄等に帰結するような再生手法とは限りません。過去の大企業整理の企業再生環境とは異なるの特に注意が必要です。
 ただ企業再生の手順は、関係者が合意して既定の路線です。窮境に陥った企業再生局面の中小・小規模企業は、その手順に従うことが王道です。
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■企業再生手法の選択

 金融支援とは何か?それは、企業再生において選択される再生手法、つまり金融支援の内容としては、①リスケジュール、②DDS(資本性借入金)、(郭DES(債務の株式化)、④債権放棄、⑤第二会社方式による実質的債権放棄の5手法を指します。これらの金融支援の内容は、その銀行融資の債務者企業の窮境状況、具体的には現況としての財政状態(実質債務超過の金額)及び経営成績、並びに今後の事業計画に基づく収益計画の内容を踏まえて、銀行主導で選択されるものです。

 この金融支援の手続が、当初から「リスケジュール」や「債権放棄」の前提としての儀式である理解すると、そもそも論として企業再生は上手く行きません。企業再生の手法選択、すなわち債権放棄をするのかリスケジュールで纏めるかの選択は、銀行が債務者の決意表明に基づいて、再生に取組むに当り、最終段階での選択で、最初の段階で決めません。つまり、企業の棄損具合や二次破綻の防止等を勘案して、最終的にどのような企業再生手法を選択するか、又は選択しないかの再生計画の策定にあたり、手順としては、まず最初に事業面の見直しを踏まえた営業利益(経費圧縮)までの計画を立て、次に財務面(資金繰り等)の計画を立てます。この計画を立てた段階で、どの再生手法を採用するかを選択します。具体的には以下の手続を踏むことになります。

(1)実態に基づいた経営計画
 手順としては、まず金融支援を考慮しない「ありのままの推移」に基づく5か年計画の経営計画書(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)を作成します。予算貸借対照表からは、実質債務超過の解消年数を予測できます。その予測に基づき、金融支援の額および再生手法を選択できます。今、行っている作業の法的位置付は私的整理手続です。従って窮境状況にある債務者は、債権者である銀行(金融機関)全ての同意が必要です。銀行は「実質債務超過解消年数」と「債務償還年数」の2つの基準で債権回収の保全を考えます。これらの基準は金融検査マニュアルに依拠する各銀行が行う債務者区分の判定基準と軌を一にしています。銀行としては、再生計画に同意するには、債務者のの債務者区分が少なくとも要注意先以上にランクアップする必要があります。

 ただ債務者区分内の行内格付の基準は銀行ごとに違います。企業再生の手法を選択する場合、取引銀行の顔ぶれにより実務な着地点の想定が現場感覚として求められます。そこに経験が働くことは云うまでもありません。各都県の再生支援協議会に相談するのも良い考えです。

(2)中小・小規模企業の債務者の勘所
 a 債務者区分
  債務者区分の判定は、金融検査マニュアルでは形式基準のみで判定してはならないとされており、2013年秋の「中小企業金融の緩和」政策で、この考え方はいっそう柔軟になってきている。但し基本的な考え方は同じですので甘えは禁物です。

 b 債務超過企業の目線
 現状(着手時)は大幅な債務超過が数年続いているような債務者は、これを最終的には、事業計画を実施して出口としては債務者区分「正常先」を目指すことになります。そして幸いなことに「暫定リスケ」を前提として概ね3年間の「経営改善計画書」を出し、その後に5年から10年の計画で「底堅い事業計画書」が準備できるのであれば、銀行了承を前提に、その債務者は、臨時的に債務者区分が一挙に「その他の要注意先」(正常先)にランクアップされます。そうすれば、取敢えずは「新規融資」又は「追加融資」の途が開けます。そして、概ね13年後の計画終了時とは、中小企業として、再生計画による金融支援後の再生計画スタート時には、利益5年分の債務超過と15年分の要償還債務を抱えている状態(真ん中の位置)が何とか、銀行融資の正常先になり、また事業の継続も可能な企業に生まれ変わることができるというシナリオが描けます。

 c 「実質債務超過解消年数」の考え方
 私的整理手続において再生計画の内容として数値基準という形で準則化されてます。実質的に債務超過である場合は、再生計画成立後最初に到来する事業年度開始の日から5年以内を目処に実質的な債務超過を解消する内容とすると規定され、私的整理ガイドラインは、「実質的に債務超過であるときは、再建計画成立後に最初に到来する事業年度開始の日から3年以内を目処に実質的な債務超過を解消することを内容とする」と規定し、事業再生ADRも同様に3年以内の実質債務超過の解消を求めています。
 ただ2013年秋の金融庁による中小企業金融の緩和政策は、3年措置は大企業のみを対象とし、5年とあるのは、5年から10年とし、「底堅い事業計画」は、実抜計画を、合実計画とする旨の発表でした。従って、実抜と合実は融資現場では同一用語と解釈されていますが、とりあえずニュアンス的にも、中小企業の破綻処理に大なたを振るう政策は当面、「先延ばし」ないし「棚上げ」されたと考えられます。従って、今述べた諸規則も、少なくとも運用上は、今般の中小企業金融の緩和策に則った取扱いが進むと予測できます。

 勿論、実質債務超過解消年数を前提に手法を選択に基づく企業再生(事業再生)は、この数値基準を満たすように選択するのが原則であり、具体的には以下のような手順を踏むこととなる。
 ① まず財務デューデリジェンスを行い、債務者の財政状態・経営成績の分析調査により、実質債務超過の額を把握します。同時に、事業デューデリジェンスにより事業面の調査分析を行い事業計画を策定します。この事業計画には企業の自助努力を十分に反映させるため、認定支援機関税理士らは、支援者として充分なヒアリングをする必要があります。
 ② 次にその事業計画を基礎にして、金融支援を考慮しない場合の今後10年間の経営計画としての損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書を作成します。
 ③ その作成された経営計画上の貸借対照表において、3~5年目の実質債務超過の金額を確認します。そして概ね実質債務超過額が残らない場合には、リスケジュールによる金融支援で足りる結果となります。反対に実質債務超過額が残る場合には、当該金額がDDSや債権放棄等による抜本的な金融支援の必要性が浮上します。

(3)実質債務超過額の確定
 実質債務超過の金額を確認するうえでの留意点がいくつかあります。まず、実質債務超過の金額は、財務デューデリジェンスによる実態上の貸借対照表が基本です。ここでは、継続保有の不動産の評価を、簿価とするか時価とするかという問題がありますが、簿価と時価の両方の数字を把捉して下さい。仮にリスケジュールによる金融支援で再生が可能な場合には、不動産の評価は簿価基準の「実質債務超過解消年数」が現実的です。他方、銀行による直接の債権放棄等による抜本的な金融支援が必要な場合は、不動産の評価は時価基準で「実質債務超過解消年数」を計算することになります
 また、金融検査マニュアル別冊において、代表者からの借入金や担保提供している個人所有の不動産等については、「中小企業特性」として自己資本とみなす解釈が認められます。実質債務超過額を把握する際には、これらの中小企業特性は実質債務超過額の減額要因となります。なお金融機関の金融支援を受ける場合には、代表者からの借入金については、一般的には税務上の問題がない限り放棄します。企業再生(事業再生)では、金融機関に対して金融支援の前提として、企業が自助努力を尽くすとともに、経営者が経営者責任および保証責任を果たすべきであり、代表者の企業に対する貸付金の債権放棄や、担保提供資産の拠出は、当然の措置とされます。

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